サイバーテロ事件の報道をよく聞きます。アサヒホールディングス(飲料会社)や通販のアスクル
などが被害にあって、注文や物流がストップしてしまいました。まるで映画のような事件です。
大きな会社は厳重なテロ対策をやっているはずですが、ネットでつながっているかぎり、完ぺきな
防御は難しかったようです。
ネット通信は便利で、利用しないと時代遅れになります。でも犯罪者に狙われやすいため、急に
使えなくなる可能性を忘れてはいけません。危機管理のために昔ながらの電話、ファックスの
仕組みも残しておく必要があると感じました。
便利だけど、怖い世の中です。 ビールは買いだめしておくべきかも知れません。
オリフォルグリプロン
イーライ・リリー社は抗肥満、血糖降下の作用を持つ「オリフォルグリプロン」という薬を開発中
です。その臨床試験の結果が発表されました(N Engl J Med2025;393:1065-1076)。
40週間の内服で血糖の指標であるHbA1cは1~1.5%程度の低下、体重で7%強の改善がみられた
ようです。ただし、副作用の胃腸症状のために4~8%の方が中止になっています。
この系統の薬としては「リベルサス」という薬が既に発売されています。リベルサスも抗肥満、
血糖改善効果がある薬ですが、起床時に飲まないと効果が薄いことや値段が高いことが欠点です。
「オリフォルグリプロン」は、これらの点での改善が望めます。
発売はまだです。治療の選択肢が増えるのは良いことです。ただし、乱用されそうな予感も
します。 論文には「注射薬と遜色ない効果」と書かれていますが、注射薬のほうが作用は強い
だろうと思います。
幼少期の糖分摂取の影響
かつてイギリスでは砂糖の配給制度があり、糖分の摂取は非常に制限されていたそうです。
その時代に生まれ育った人と、制限がなくなった時代の人との比較が発表されました
(BMJ2025;391:e083890)。
心筋梗塞、心房細動の発症、脳卒中の発症、心臓疾患による死亡に関して、砂糖摂取の制限は
危険度を下げていました。どうやら、幼少期の砂糖の摂取は、成人期の病気を呼ぶようです。
甘い味に慣れると、摂取カロリーは多めになると思います。脂肪組織を蓄え、内分泌にも影響
しそうです。また、甘味は脳に記憶され、一種の中毒のような状態を生みますので、成長して
からも甘いものの摂取量が多めになり、害が出やすいかも知れません。
日本には甘いものがあふれていますので、乳幼児へのお菓子、ジュースを制限するのは簡単では
ないはずです。お菓子を欲しがる子供を叱りつけて取り上げるのは難しいでしょう。
でも、安易に糖分を与えない方向に考えを改めるべきかも知れません。
子供だからお菓子くらいはあげても良い、大人になってから制限すればよい・・・そんな感覚が
私にもありましたが、それで将来の動脈硬化を発生させているとしたら、責任がないとは言えない
ようです。
診療所便り 令和7年12月分より・・・(2025.11.30 up)